北軽井沢 虹の街 爽やかな風
この世に生を受け生まれてきた人には、それぞれの人生が待っている。
親の教えを受けながら学校を卒業し社会人となり、さまざまな職業に就きその仕事を通じて社会に貢献し、
子供を育てみずからの地位を確立していく。
そして、子育てを終え、ひととおりの義務を果たし終えるのが60歳あるいは65歳だろう。
特別な人をのぞき、そこで一般的には定年退職し、隠退(リタイア)することになる。
しかし、それから後、残された人生が20年以上もあるとすれば、
単なるリタイアでは何のための人生か分からないのではないかと疑問に思う。
それから先は、また新しい人生だと考えることは出来ないか。
先月25日に雪が降り、一時寒い日もあったがよい天気が続き、雪も溶け始めている。
この天気はあと2日くらい続きそうだ。この分だと家の周りの雪は溶けてしまうだろう。
しかし、浅間山の雪はもう春まで溶けることはなく、冠雪した姿を見せ続けるに違いない。
まったく新しい人生を生きるために北軽井沢へやってきたが、
その生活がどのように展開していくのか皆目見当もついていなかった。
「どうして、そんな寒いところへ行くの?」
「なんで、そんな山の中の不便なところを選んだの?」
と質問されても、確固たる解答は出来なかった。
「美しい、緑のある自然の中で、静かに暮らしたい」という妻にただ漠然と着いてきたのが北軽井沢の嬬恋村。
ここは、少年時代の匂いがする。
生活していくうちに「もしかして、生まれ変わり再生できるのではないか」という考えがむくむくと浮かんできて
いる。
半年の月日はあっという間に過ぎていった。誰もみな最後は屍となり灰になって土に還る。
この美しい自然の中にいると、「ここでよかった」と思い、心から安心できる。
自然の中で四季をはっきりと感じながら、
素直に生きていける幸せはなにものにも変えがたく、正にここで自分を再生できると感じている。
日本には、まだまだ自然たっぷりの素晴らしい地がたくさんある。
生まれる場所は選ぶことが出来ないが、人生の着陸地点を何処にするかは、自由に選択できる。
海の好きな人は海の近くでもいいし、都会の中にそれを求めても差し支えはないが、
どうしても今いる場所でなくてはならないと考える必要はないだろう。
厳寒の地で冬を迎えつつ、幾ばくかの不安はあるが、
「人生再生」への希望の灯火を見つけたからには、もう恐れるものは何もない。
第三の新しい人生は、もう始まっている。そして順調に飛行を開始したのだ。
今日も日が沈む頃、西の空がうっすらとオレンジ色に染まっていった。
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